アレルギーマーチ
アトピー素因を有する子どもに、いくつかのアレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性鼻炎など)が次から次に現れてくる現象を「アレルギーマーチ」と言います。 アレルギーマーチは乳児初期の乳児湿疹・下痢・腹痛などに始まり、やがて気管支喘息に移行し、次いでアレルギー性鼻炎になる事が多く、気管支喘息は思春期前後までに約70%が治癒します。アトピー性皮膚炎を有する乳幼児の約40%は比較的近い将来、気管支喘息を発症すると言われています。
アレルギー性疾患の初発時期
①アトピー性皮膚炎:2歳までに約90%が発症しています。
②気管支喘息:6歳までに約90%が発症しています。
③アレルギー性鼻炎:学童期以降に発症することが多いのですが、最近は低年齢児に典型的なアレルギー性鼻炎が増加する傾向にあります。
抗アレルギー剤による「アレルギーマーチ」の抑制
アトピー性皮膚炎を有する乳幼児の約40%は、比較的近い将来、気管支喘息を発症することが知られています。
アトピー性皮膚炎を有する乳幼児に抗アレルギー剤を10~34ヵ月投与したところ、気管支喘息に移行した子供達は約17%に過ぎませんでした。なお、気管支喘息に移行した子供達は血液検査にて卵白・ダニに強いアレルギーがありました。
この事から抗アレルギー剤が「アレルギーマーチ」をある程度抑制すると考えられています。