精神的ストレス
アトピー性皮膚炎が精神的ストレスによって悪化することは日常診療でよく経験する事です。各年代によってアトピー性皮膚炎の悪化に関与するストレッサーは異なり、小児では親、教師、友達関係(いじめを含む)などにおけるストレスが、中・高校生では受験、試験勉強、友人関係(いじめ・性的な関係を含む)、自己劣等感(コンプレックス)などにおけるストレスが皮疹の悪化や痒みの増強につながっています。ストレッサーに対して適切に対応し、ストレスを上手に解消していくことが重要です。
かって、アトピー性皮膚炎は神経性皮膚炎と呼ばれ、心身症の一つと考えられていました。現在では、ほとんどの疾患にストレスが悪化因子となることが認められるようになりました。
このような精神的ストレスが関与していると考えられる場合は、薬物療法だけでなく、心理社会的因子への介入を含む包括的(全人的)アプローチが必要です。また、適度な運動(ヨガ・気功など)や歩行・ジョギングなどで身体を動かすことも有効です。