思春期後期
Tanner性成熟度分類のⅤ度の時期です。
生物学的発達
男女の95%が17~18歳までに乳房、陰茎、恥毛の最終的な発達段階を迎えます。男性の場合、髭や胸毛の発毛ならびに男性型禿頭症の発症(少数)など、体毛の分布における軽度の変化が数年間持続することが多くみられます。ざ瘡(ニキビ)はほとんどの青少年に現れ、特に男性では顕著です。
精神的社会的発達
身体的変化の速度が緩やかになる為、身体像が安定してきます。認知はあまり自己中心的でなくなり、礼儀、愛国心、歴史など概念に関する思考が増えてきます。さらに未来志向になり、長期計画に沿った行動や、後で得られる満足、譲歩、限度の設定、独立した思考が可能になります。しばしば理想主義的になりますが、同時に絶対主義的にもなり、反対意見を受け入れない場合もあります。複雑な疑問の回答が得られそうな宗教集団や政治集団に強く引き付けられる場合もあります。自己解放が極近いことから、仕事や人間関係で、成人の役割に移行し始めます。
情緒が一層安定してくる時期です。仲間の存在や仲間の価値観の重要性が低下してきます。多くの青少年にとって、個人的関係、親密な関係は特に重要なものとなり、自己同一性の重要な構成要因になります。この時期のデートには愛情と献身が次第に強く関与してきます。自己概念は、社会における新たな役割と次第に密接に関係してくる為、進路の決定が差し迫った問題になります。