二次性徴とは?
性成熟
男子では、精巣の肥大(4ml以上)、陰茎の腫大・陰毛の発生、変声、腋毛の発生、ヒゲの発生などです。 女子では、乳輪の隆起、乳房の腫大、外陰部の発育、卵巣の発育、陰毛の発生、初経などです。
女子の二次性徴は、乳房発育、陰毛発生、初経の順に出現しますが、これらの成熟度の相互関係には個人差がかなりあります。 通常、乳房発育Ⅲ~Ⅳ度(下図参照)で陰毛発生が見られるようになり、陰毛Ⅱ~Ⅲ度(下図参照)に達する頃に初経を認めます。 乳房発育は左右同時でなく、数ヶ月のずれをもって片側性に出現することもあります。 陰毛は最初、大陰唇の内側に出現する為、足をそろえた姿勢では見逃されることが多く、Ⅲ度(下図参照)では恥骨結合部に写真にとれる程度の陰毛が認められます。日本人ではⅣ度(下図参照)にとどまることも少なくありません。 膣径は思春期前(7.0~8.5cm)から初経時(10.5~11.5cm)に拡大し、初経数ヶ月前から透明または白色の帯下の増加を認めます。
男子の二次性徴は、睾丸容積の増加(4ml以上)が最初の性成熟徴候です。次いで陰嚢皮膚のしわが細かくなり赤みを帯び、陰茎長が増大してきます。 陰茎の増大から約1年で陰毛発生を認めます。陰毛がⅣ度(下図参照)に達すると腋毛が生え始め、やや遅れてヒゲが生え始めます。変声も思春期後半から明らかとなります。 思春期には、男子にも乳房に変化が見られ、乳房腫大(女性化乳房)を認めることも稀ではなく、1~2年で消失します。
現在日本では、男子は14歳、女子は12歳までに96%が思春期発来をみており、男子では15歳、女子では13歳までに99.6%が思春期発来をみています。 一般に、二次性徴が出現して3~5年で性成熟は完成します。
日本人の二次性徴発現年齢
女児の乳房Ⅱ度年齢は、9.7歳(±1.9歳)で、陰毛発生は、11.5歳(±2.1歳)で、初経年齢は、12.3歳(±2.2歳)です。
男児の精巣3ml年齢は、11.5歳(±1.5歳)で、陰茎Ⅱ度年齢は、12.2歳(±2.1歳)で、陰毛発生は、13.5歳(±2.2歳)です。
男児で13歳~14歳までに精巣腫大が始まらない場合や、女児で12歳~13歳までに乳腺発達(乳房腫大)が始まらない場合は、思春期遅発傾向があると考えられます。
その他の身体的変化
顔面の変化が男児で顕著にみられ、眼と眼の間隔は思春期前後でほぼ一定ですが、前額部と顎、特に下顎が前方に突出し、側面からみて直線的となります。思春期に性差が明らかになるのは骨盤と肩です。両腸骨間幅の増加量は男女で差はありませんが、身長からみると女児では腸骨間幅が広くなります。一方、肩幅は男児が明らかに大きくなります。皮下脂肪の年間増加量は、身長増加率が最大となる時点で最低となり、その後急速に増加します。女児ではどの時点でも皮下脂肪量は増加していますが、男児では身長増加率が最大となる前後1年間の皮下脂肪量は減少します。以上の要素が絡み合って、思春期以降男女の体形の差が顕著となります。