生殖能の獲得
思春期発来から二次性徴の完成までの期間はほぼ4年以内です。5年以上経過しても完成しない場合は、性腺系の異常を考える必要があります。生殖能は妊娠、挙児を認めるまで確認できませんが、それ以前においても臨床的に推測は可能です。
女児では月経発来と月経周期が重要な指標になります。日本人の平均初経年齢は12.3歳です。初経後1~2年の月経周期は不規則で、無排卵性の場合も多いのですが、5年を経過しても不規則、過少月経、過多月経を認める場合は無排卵性月経が疑われます。
男児では精巣を直接観察できる為、精巣容量が生殖能の判定に重要になります。精巣容量の増大は主として精細管の発育による為、精巣は増大するにつれて弾力性をもつようになります。精巣容量の増大と精子形成能は密接な関係があります。精巣からのテストステロン分泌が増加すると、陰茎が発育し、同時に前立腺、精嚢も発育します。陰茎発育開始後1年以上経過すると自然射精(多くは睡眠中の夢精)が認められます。最初の精液は精子数も少なく、運動能も低いとされています。日本人の自然射精発来(精通)年齢は13~14歳頃です。