かぜ症候群
かぜ症候群とは?
いわゆる感冒(急性鼻咽頭炎)のことで、大部分はウィルス感染症です。また、肺炎などの下気道炎を含めたりする場合もあります。本症の90%以上がウィルス感染で、その代表がインフルエンザウィルスであり、その他にパラインフルエンザウィルス、RSウィルス、コロナウィルス、アデノウィルスなどが主なもので、細菌性は少ないが、A群溶連菌は重要です。また、それ以外にマイコプラズマ肺炎も重要です。
流行性感冒のことをインフルエンザといいます。
かぜをひきやすい子
1年間に7回以上かぜにかかれば「かぜをひきやすい子」といえます。かぜをひきやすい要因としては、栄養状態が悪い、保育環境が不適当(厚着の習慣・体の不潔・不適切な集団保育など)などの環境要因と体質が考えられます。
体質要因としては、免疫不全やアレルギー素因、耳鼻科的器質性疾患の存在などが挙げられます。
乳幼児のかぜで注意する事
「かぜは万病のもと」といわれるように、随伴症状として消化器症状や熱性けいれん、口内炎、発疹などを伴うことがあり、合併症としては、中耳炎が高頻度にみられ、肺炎や髄膜炎、脳炎を起こすこともあります。
また、種々の感染症の前駆症状の可能性もある為、症状が消失しない場合は3~4日で再診する必要があります。
体温の測定方法
一般的なのは腋窩であり、一部の乳児が頚部で測定しています。頚部で測定する場合は、部屋の温度の影響を受ける事があります。
腋窩では汗を十分に拭き取ってから測定を開始し、水銀体温計の場合は5分以上の時間をかけて測定する事が望ましく、デジタル電子体温計の場合は、測定前に10~15分腋窩を密着させた後に体温計を挿入して測定する事が望ましい。
小児の正常体温
体温は1日中同じ温度ではありません。朝は低めで、夕方は高めです。運動をしたり食事をした後は、体温が高くなります。
乳児は厚着や暖房などの影響で、高く測れてしまう事があります。おかしいと思ったら、しばらくしてもう一度測ってみましょう。思春期以後の女児では、性周期による体温の変化が加わってきます。
通常は、平熱より1℃以上高ければ熱があると考えてよいでしょう。
乳児(夏):37.02±0.36℃
乳児(冬):36.71±0.41℃
幼児(夏):37.01±0.39℃
幼児(冬):36.94±0.45℃
学童(夏):36.94±0.32℃
学童(冬):36.91±0.41℃
解熱剤(熱さまし)の使い方
通常は38.5℃以上の時に使います。但し、38℃以上でつらそうな時は使ってもよいです。5~6時間以上たったらまた使ってもよいです。
解熱剤には「飲み薬」と「坐薬」の2種類がありますが、同時に使ってはいけません。5~6時間あけてから使いましょう。「飲み薬」も「坐薬」も効き目は同じです。吐く子には「坐薬」を、下痢の時や坐薬を嫌がる子には「飲み薬」を使いましょう。
解熱剤は、熱によるつらさを軽くする為の薬で、病気を治す薬ではありません。熱を下げる事ばかり気をとられないようにしましょう。
いつから保育園(学校)へ
熱があったら次の日も必ず休ませましょう。夜中に熱があった翌朝、熱が下がっていたので行かせた、というのは無謀です。薬がない場合には、保育所(学校)を休み、昼間(診療時間内)に受診するようにして下さい。
家庭看護
①熱の放散をよくする為に、寒くない程度に薄着にしましょう。
②水分を十分に摂取させましょう。
③冷たいタオルや氷枕で頭を冷やしたり、氷嚢で両脇や股の付け根を冷やすと効果的です。でも子どもが嫌がる時は無理に冷やさなくてもいいです。
④消化のよい物を食べさせましょう。
⑤熱がある時は、お風呂を避けて安静にしましょう。