クラミジア肺炎(オウム病を除く)
クラミジア肺炎とは?
肺炎クラミジア、トラコーマ・クラミジア、オウム病クラミジアによる肺炎が含まれるが、 肺炎クラアミジアおよびトラコーマ・クラミジアによる肺炎と、人畜共通感染症でしかも症状の強いオウム病とは病態や対応が異なる為、区別して扱われており、感染症法では肺炎クラミジアとトラコーマ・クラミジアによる肺炎をクラミジア肺炎(オウム病を除く)として扱います。
トラコーマ・クラミジアによるクラミジア肺炎とは?
新生児期・乳児期にほぼ限られます。クラミジア子宮頸管炎をもつ母親から分娩時に産道感染し、生後3ヵ月までの間に肺炎を起こします。結膜炎、鼻炎を先行する事が多い。新生児肺炎・乳児肺炎は一般に無熱であり、多呼吸、喘鳴、湿性咳嗽などの呼吸器症状を呈します。治療としては、有効な抗菌剤を14日間経口投与します。
肺炎クラミジアによるクラミジア肺炎とは?
肺炎クラミジアによる肺炎は、特にマイコプラズマ肺炎と容易に区別することが難しい。通常、発熱、倦怠感、頭痛、咳、およびしばしば咽頭炎を含めた軽度~中等度全身症状を特徴とする典型的な異形(非細菌性)肺炎として現れます。胸水および膿胸を伴う重度肺炎も報告されています。百日咳様の症状で発現する場合もあります。
発症年齢は小児のみならず、高齢者にも多い。やや男性に多く、家族内感染や集団内感染もしばしば見られます。上気道炎、気管支炎では、湿性咳嗽が主体で、肺炎では喀痰を伴う事もある。遷延性の激しい咳嗽を有する事が比較的多い。38℃以上の高熱を呈する事はあまり多くありません。一方で症状を欠く無症候性感染も稀でなく、本来は自然治癒傾向が強い。 他の症状としては、咽頭痛、鼻汁、嗄声、呼吸困難などですが、特徴的な症状に乏しい。感染によって抗体が産生されますが、この抗体には感染防御の機能はなく、抗体保有者も何度でも感染し発症します。
治療としては、有効な抗菌剤を1日2回・10日間経口投与します。