RSウィルス感染症
RSウィルス感染症とは?
RSウィルスとは、「かぜ症候群」の原因の一つで、比較的多く認められるウィルスです。 主に乳幼児に多く、保育所や幼稚園などで流行します。毎年、季節性インフルエンザに先行して夏頃から流行し始め、年末をピークに春頃まで続きます。潜伏期間は2~8日間で、比較的長いのが特徴です。 何度も罹患を繰り返すウィルスで、2歳になるまでにほぼ100%が初感染します。低出生体重児(2500g未満)、免疫不全、ダウン症候群、心臓や肺の基礎疾患が危険因子であり、重症化しやすい。
症状は?
①発熱、鼻水、軽い咳などの症状が2~3日続き、治るまでに7~12日かかります。
②乳幼児の肺炎の50%、細気管支炎の50~90%がRSウィルスによるものと言われています。
③悪化すると多呼吸、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、陥没呼吸、呼吸困難、チアノーゼがみられます。
④乳幼児突然死症候群の原因の一つと考えられています。
治療は?
特に特効薬はありません。普通の「かぜ」と同じように、「安静」と「水分補給」が重要です。熱が高い時には解熱剤を使用しましょう。呼吸状態が悪化した場合、酸素投与、輸液、呼吸管理が必要となります。感染の原因となるので、タオルの共有は止めましょう。
家庭で気を付ける事
①高熱:何日も高い熱が続くので、解熱剤を上手に使い、涼しい服装をさせ、風通しのよい部屋で寝かせましょう。
②食事:熱も高いので食欲がないのはしかたありません。プリンやゼリー、アイスクリーム、さましたおじや、豆腐、グラタンなど食べやすいものを与えましょう。
③水分:水分は十分に与えて下さい。麦茶やイオン飲料、味噌汁、ポタージュスープなどを与えましょう。
④入浴:熱が高い時や元気がない時は止めましょう。こまめに体を拭いてあげて下さい。
RSウィルス検査の保険適応
①入院中(RSウィルス感染を疑う場合)
②1歳未満(細気管支炎・肺炎を疑い、入院治療が必要な場合)
③パリビズマブ製剤(シナジス)を使用している乳幼児
通常は入院治療が行える医療機関で行います。
こんな時はもう一度診察を
①喘鳴、多呼吸、陥没呼吸などが出現した時
②元気がなくぐったりしている時。
③高い熱が3日以上続く時。